IT関係の資格は多数ありますが、今回は、国家資格関係についてみていきたいと思います。種別としては、13種類あります。これらはITSSという難易度基準で分けた場合下の通りとなり、それぞれの試験の対象者像は以下の通りとなっています。(IPAのHPより抜粋)

ITSS レベル1

  • ITパスポート試験
    • 職業人が共通に備えておくべき情報技術に関する基礎的な知識をもち、情報技術に携わる業務に就くか、担当業務に対して情報技術を活用していこうとする者

ITSS レベル2

  • 情報セキュリティマネジメント試験
    • 情報システムの利用部門にあって、情報セキュリティリーダとして、部門の業務遂行に必要な情報セキュリティ対策や組織が定めた情報セキュリティ諸規程(情報セキュリティポリシを含む組織内諸規程)の目的・内容を適切に理解し、情報及び情報システムを安全に活用するために、情報セキュリティが確保された状況を実現し、維持・改善する者
  • 基本情報技術者試験
    • 高度IT人材となるために必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身に付けた者

ITSS レベル3

  • 応用情報技術者試験
    • 高度IT人材となるために必要な応用的知識・技能をもち、高度IT人材としての方向性を確立した者

ITSS レベル4

  • ITストラテジスト試験
    • 高度IT人材として確立した専門分野をもち、企業の経営戦略に基づいて、ビジネスモデルや企業活動における特定のプロセスについて、情報技術(IT)を活用して事業を改革・高度化・最適化するための基本戦略を策定・提案・推進する者。また、組込みシステム・IoTを利用したシステムの企画及び開発を統括し、新たな価値を実現するための基本戦略を策定・提案・推進する者
  • システムアーキテクト試験
    • 高度IT人材として確立した専門分野をもち、ITストラテジストによる提案を受けて、情報システム又は組込みシステム・IoTを利用したシステムの開発に必要となる要件を定義し、それを実現するためのアーキテクチャを設計し、情報システムについては開発を主導する者
  • プロジェクトマネージャ試験
    • 高度IT人材として確立した専門分野をもち、システム開発プロジェクトの目標の達成に向けて、責任をもって、プロジェクト全体計画(プロジェクト計画及びプロジェクトマネジメント計画)を作成し、必要となる要員や資源を確保し、予算、スケジュール、品質などの計画に基づいてプロジェクトを実行・管理する者
  • ネットワークスペシャリスト試験
    • 高度IT人材として確立した専門分野をもち、ネットワークに関係する固有技術を活用し、最適な情報システム基盤の企画・要件定義・開発・運用・保守において中心的な役割を果たすとともに、固有技術の専門家として、情報セキュリティを含む情報システムの企画・要件定義・開発・運用・保守への技術支援を行う者
  • データベーススペシャリスト試験
    • 高度IT人材として確立した専門分野をもち、データベースに関係する固有技術を活用し、最適な情報システム基盤の企画・要件定義・開発・運用・保守において中心的な役割を果たすとともに、固有技術の専門家として、情報システムの企画・要件定義・開発・運用・保守への技術支援を行う者
  • エンベデッドシステムスペシャリスト試験
    • 高度IT人材として確立した専門分野をもち、IoTを含む組込みシステムの開発に関係する広い知識や技能を活用し、最適な組込みシステム開発基盤の構築や組込みシステムの設計・構築・製造を主導的に行う者
  • ITサービスマネージャ試験
    • 高度IT人材として確立した専門分野をもち、サービスの要求事項を満たし、サービスの計画立案、設計、移行、提供及び改善のための組織の活動及び資源を、指揮し、管理する者
  • システム監査技術者試験
    • 高度IT人材として確立した専門分野をもち、監査対象から独立した立場で、情報システムや組込みシステムを総合的に点検・評価・検証して、監査報告の利用者に情報システムのガバナンス、マネジメント、コントロールの適切性などに対する保証を与える、又は改善のための助言を行う者
  • 情報処理安全確保支援士試験
    • サイバーセキュリティに関する専門的な知識・技能を活用して企業や組織における安全な情報システムの企画・設計・開発・運用を支援し、また、サイバーセキュリティ対策の調査・分析・評価を行い、その結果に基づき必要な指導・助言を行う者

どの資格を目指すべきか

それぞれ、以下の者に対して合格することをお勧めします。

  • ITパスポート試験
    • 全ての社会人
  • 情報セキュリティマネジメント試験
    • 総務部等の情報セキュリティやIT機器の管理を行っている部署の者
    • 全ての管理者
  • 基本情報技術者試験
    • IT関係の営業
  • 応用情報技術者試験
    • IT関係の技術者
  • その他(レベル4の試験)
    • 各専門分野に従事する者

どのようにして取得させるか

試験に合格したとして、業務に直ぐに役に立つとは限りません。したがって、従業員は、なかなか勉強しようとしません。確かに業務に直接役立つことは少ないかもしれませんが、そのベースとなる知識を有することで、今行っている業務の意味づけが理解できる等、間接的に会社にとっての利益になることは間違いありません。

そのために、以下のような方法をとることをお勧めします。

  • 昇進・昇格する要件の一つとする。
  • 合格時に一時金を支給
  • 有資格者に対して、資格手当の支給

これらを実際に行うことは非常に難しいですが、今後ITがなくしては会社が立ち行かなくなります。そのために、投資と思って、従業員にこれらの資格を取らせてみてはいかがでしょうか。