これまでの連載では、外部からのサイバー脅威に焦点を当ててきました。しかし、組織内部からくる脅威も無視することはできません。内部脅威は企業にとって深刻なダメージをもたらす可能性があります。今回は、内部脅威の特徴と対策について掘り下げていきます。
内部脅威の特徴
内部脅威とは、組織内部の人間(従業員、契約者、ビジネスパートナーなど)が意図的もしくは無意識のうちに情報セキュリティインシデントを引き起こすものを指します。
内部脅威の例
- 意図的な情報漏洩
- 不注意によるデータ流出
- 権限の不正利用
これらの脅威は企業の情報資産に対して直接的なリスクをもたらします。
リスクの把握と評価
組織内でどのような内部脅威が潜んでいるのか把握し、そのリスクを評価することが第一歩です。定期的なオーディットとリスクアセスメントを実施しましょう。
アクセスコントロールの徹底
最小権限の原則に基づいて、従業員一人ひとりが必要最低限の権限のみを持つようにしましょう。
教育と訓練
内部脅威は外部脅威と同様に、教育と訓練を通じて防御を強化することができます。従業員がセキュリティポリシーを理解し、正しい行動を取ることが肝要です。
インシデントレスポンスプラン
内部脅威に対しても、迅速に対応する体制を整えることが大切です。事前にプランを練り、全スタッフがその対応を理解していることが重要です。
さいごに
内部脅威は、技術的対策と同時に組織の文化や教育も大きく影響します。従業員一人ひとりがセキュリティ意識を持ち、正しい行動をとることで、企業全体としてのセキュリティが向上します。次回は「モバイルデバイスのセキュリティ」にスポットを当てていきます。どうぞお楽しみに。